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Column【コラム -琉球新報より 共に考える住宅デザイン-】
琉球新報より 共に考える住宅デザイン ― 金城 豊
vol.006 亜熱帯の解決策
開放的な沖縄の民家の特徴といえば、屋根が重厚で雨端(あまはじ)が深いことである。
これは、自然の木に支えられた深い軒が作りだす「空間」が存在していることである。濡れ縁でもなければデッキでもないところである。
その下は、土間や板間で構成された半戸外の空間で、自然のあらゆる暴威という強烈な夏の日差しや、台風や激しい雨風をしのいで心地よい日影をつくる空間となる。
これは、建築の内部で生活する行為を影によって包みこむ形であり、床は高くせりあがり、床下に風を流し、屋根の奥深くに入りこむ光と影の建築の形だ。
伝統的な沖縄の民家は、日本と中国の建築様式を基本として、タイ、マレ−シアや、ジャワなどの東南アジア諸島の建築的なエレメントを取り入れ、沖縄の風土に合わせて発展させた独自の様式だと考えられている。
これは、自然の木に支えられた深い軒が作りだす「空間」が存在していることである。濡れ縁でもなければデッキでもないところである。
その下は、土間や板間で構成された半戸外の空間で、自然のあらゆる暴威という強烈な夏の日差しや、台風や激しい雨風をしのいで心地よい日影をつくる空間となる。
これは、建築の内部で生活する行為を影によって包みこむ形であり、床は高くせりあがり、床下に風を流し、屋根の奥深くに入りこむ光と影の建築の形だ。
伝統的な沖縄の民家は、日本と中国の建築様式を基本として、タイ、マレ−シアや、ジャワなどの東南アジア諸島の建築的なエレメントを取り入れ、沖縄の風土に合わせて発展させた独自の様式だと考えられている。
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雨端(あまはじ)の記憶
結局のところ、人間の生活のために発展してきた建築の歴史の歩みは、建築と自然と人間との一体化になろうとする発展と努力の歴史とも考えている。この空間は、建築的な理屈から出来あがってきた空間の形ではなく、われわれの祖先が、どのように自然と向きあい、歴史を感じとってきたかという、その物をつくりだした背後から出てきた心の形だと考えている。
現代の住宅においても、すまいの間取りが便利にできているのは最小限の目的であり、室内においての生活環境が快適でなければ何もならないことは、実感している。特に沖縄は亜熱帯に属し、夏は暑くて湿度も高く、冬でさえも湿度が高いという、じめじめした気候条件をもっている。
だからこそ、この問題を解決する手法は一層重要になってくるのである。日当りの良さも大事な事だとは考えてはいるが、日当りの良すぎる住まいも考えものだと思ってもいる。
熱をうまく処理することは、沖縄の住まいでは忘れてはならないことであり、厳しい日射しを防ぐには、沖縄においては、東側と南側に雨端を大きくとり西側の壁面には大きな窓をとらないことが一番大切なことだと思っている。
現代の住宅においても、すまいの間取りが便利にできているのは最小限の目的であり、室内においての生活環境が快適でなければ何もならないことは、実感している。特に沖縄は亜熱帯に属し、夏は暑くて湿度も高く、冬でさえも湿度が高いという、じめじめした気候条件をもっている。
だからこそ、この問題を解決する手法は一層重要になってくるのである。日当りの良さも大事な事だとは考えてはいるが、日当りの良すぎる住まいも考えものだと思ってもいる。
熱をうまく処理することは、沖縄の住まいでは忘れてはならないことであり、厳しい日射しを防ぐには、沖縄においては、東側と南側に雨端を大きくとり西側の壁面には大きな窓をとらないことが一番大切なことだと思っている。
二つの領域を同化させる力
住宅へのアプロ−チ。玄関の上部にも雨端が吹き抜けになっており開放感と涼しさを迎いいれる。 |
沖縄での設計においての原則ではあるが、明るいところは暑く、薄暗いところは木陰のように涼しいということだ。
雨端の下の空間を日常的な生活の場の延長として考え、軒下の間は連続した部屋として、建築の空間から独立することのない雰囲気となるようにデザインを心がけるべきである。
建築の空間を取り巻くすべての自然と建物が連続する部屋として積極的に取り入れ、人間の生きる喜びをもたらすことのできる建築を考えていきたいと思っている。
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